とはいいましても、大分前の話ですが。
この作品はマジでオススメなのです。面白かったー。

迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)
迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫) 津雪

おすすめ平均
stars大迷宮
stars彼らの生命線は短い。
stars読み返した回数は2桁です
starsこの街では人は簡単に死ぬらしい
stars現代社会に現れた迷宮を巡る卓越した群像劇

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さて、作者さまのサイトで面白そうな販促企画があがっていましたのでそれにのってみようと思います。

 
元々はといえば、はてなダイアリーにて掲載されていたWeb小説でして、
自費出版というか同人誌として頒布されたこともありますし、
ちょっと前には『迷宮街輪舞曲』というタイトルでコミックREXで連載されていたこともありました。
今回はWeb小説版の商業出版という試みでございます。
#漫画版は残念ながら途中で打ち切りで、ちょっと違う、でもIfとして実に良い結末となっています。
#これに関してのアナザーエピソードが結構好きだったりします。
 
 
<簡単なあらすじ>
京都に突如大地震&地下迷宮が誕生。
バケモノが蔓延るその地下迷宮を囲うように出来上がった「迷宮街」が舞台。
バケモノが含有する稀少価値の素材(モノによっては数十万!)を求めて、
現代のゴールドラッシュとなる地と化したが、
その掛け金は勿論己の命。
2003年11月01日、迷宮へ挑む探索者の第二期募集が始まり、
事業部公表では死亡率18%となっているその地に新たな者が訪れていく。
物語はそんな「第二期探索者」の初日合格者であった
主人公”真壁啓一”のWeb日記が話の中心なのですが、
志半ばにして倒れる最期の視点、
仲間を失って京都から去る者・それでも残る者の視点、
死地へ赴いた恋人を想い、苦悩する者の視点、
さらにもっと身近な場所から明日いなくなるかもしれない人と毎日応対する職員たちの視点、
数多くの登場人物がそれぞれの視点で「迷宮街」という存在を織り成していきます。
 
 

ちなみにWeb連載版のタイトルが「和風Wizardry純情派」というものでして。
この名前のとおり、Wizardry(しかも初代「狂王の試練場」)を現代京都を舞台にやっている作品なのです。
その際に定義宣言されていたのは以下のようなもの。
 ・「善」「中立」「悪」のルールは「ハト派」「中庸」「タカ派」という避け得る戦闘に対するスタンスへ変更
 ・蘇生魔法無し(あくまでも治癒術は個人の回復力を促進させるだけ。死亡、欠損したものに対しては無理)
連載当時は、スクリプトによって毎回探索者の生存判定を行っていたそうです。
そして蘇生できないので死んだらそれまで。死に様もいろいろです。
連載自体は完結していましたので、当然Web小説時代からのファンは結末を知っています。
それでもクロニクルまで読んでしまうのは、その面白さの証ですよ。
Web版読んだことがある方にもオススメですよ。
プロローグがまるごと加筆です。個人的にはこの箇所だけでも買った価値ありました。
美濃部さんの株急上昇(ぉぃ
 
 
Wizardryの名を冠するのは版権的なオトナの事情があるため、
ぱっと見ではそれとは判らないようになっていますが、
経験者ならすぐにニヤリとできる展開が盛りだくさんです。
#勿論Wizardry知らなくても全然問題ナシですよ?

中巻・下巻の構成となるようですが、続きもちゃんと出版されることを期待ですよ。

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